DAY 0 まえがき

もうかれこれ1年前になる。
高校3年、受験生だった私は、ちょうど一年前の2月26日、金沢大学の数物科学類の前期日程を受験し、見事合格した。
私の知り合いや親類、恩師は私の合格を喜ばしいこととして祝ってくれた。
そして実際、私は金沢に移住し、大学生としての生活を始めるのだった。

…だが、私は納得していなかった。
私が一年前に目指していたもの、それは数物科学類などではまったくなかったのだ。
それはどんな学部よりもはるかに高い学力を要求され、誰もが羨むあの学部だった。
そう、私は医学部を目指していたのだ。
私はセンター試験で75%という医学部を受験する者にしてははるかに低い点数を記録し、A判定の出ている金沢大学を受験するほか選択肢はなかったのだ。

 

では、なぜ仮面浪人という選択をしたのか?
実際、この世には仮面ではない浪人生が数万人もいると聞く。
だが、私は世間体を選んだのだ。
私の親は基本的に私に不干渉で、ある程度の選択の自由があったが、この時は違った。
そうして親に押し切られる形で私は仮面浪人という茨の道を選んだのだった。

 

しかして始まった仮面浪人一年目だったが、4月、5月はまだ受験生だったころの感覚が残っているため図書館でこそこそと高校の参考書を開いて勉強していた。
だが、6月に入ると大きな転機を迎えることになる。

私は6月ごろに模試を受けることを決めていたのだが、もうすでに5月後半時点で勉強に身が入らなくなり、自身に課した1日のノルマが達成できなくなっていた。
そんな状態で迎えた模試当日、私に悪魔の考えがよぎったのだ。

「そんな状態で模試を受けても結果はわかりきっている、受けるべきではない」

結局私は模試を受けずその日は家で過ごした。
そうしたことがあってからはもはやまったく勉強しなくなり、キャンパスライフに溺れていったのだった。

そして迎えた1年目のセンター試験、当然ながら受けるはずもなく、国公立前期の日までズルズルと心にかかった枷を引きずっていた。

 

そこで私が考えたのが、自身の勉強したことをブログでノート化するとともに衆人に後公開することでモチベーションとするということである。
今日から毎日私は勉強状況を報告し、その成果を発表したい。

そして、私の目標である医学部にたどり着きたいのだ。
こんな私の挑戦を見守ってくださる方がいるのであれば、心強いかぎりだ。